2011.02.01     

第52話 「天津金木の力 〜神の砦」

私は正義の力の存在を信じるものであり、まことの力は必ず正義を行うものを守るものと信じる。正義の力は正義を行う者に寄り添って正義を成し遂げる。

邪なるものは人の心の隙を狙って音もなく静かに入り込む。それはまことに速やかである。悪しきことをなされるより恐ろしいことは、悪をなすものとなること。

決して被害者になってはならないが、加害者となったらなおいけぬ。

「人を傷つけず、人に傷つけられず、人もよく、われもよし」この和良久の主旨はこれを表わす。

和良久を行ずる稽古人たちは皆正義であってほしい。心からそう思いそう願う。

和良久の中に人を罵るものはいない。
 和良久の中に人を謀るものはいない。
 悪に手を染めることをもっとも恐れるものたちの集まりであってほしい。

自力は小さきもの。大いなる他力によるほか、まったき正義を遂行すること難し。大いなる他力のみが本当にわれを守り、われを導く。神よりほかにまことはあろうか。神を信じるほかに真実は見いだせない。

このたびの稽古より祈りの力を一層培うものとなる。
 この強い祈りの中に闇の力は一瞬も存在できない。

古来より全宇宙の神霊が集うとされる天津金木の力。
 いよいよこの稽古に入れた喜びと恐れを思う。

天津金木の力により、正しき力が堅固な砦のようにわれらを囲いわれらを守る。

  天津金木は正義をなすものたちを保護する城砦をつくる。それはまるで聖書の詩篇 第91篇のごとくだ。

『いと高き者のもとにある隠れ場に住む人、全能者の陰にやどる人は主に言うであろう、「わが避け所、わが城、わが信頼しまつるわが神」と。主はあなたをかりゅうどのわなと、恐ろしい疫病から助け出されるからである。主はその羽をもって、あなたをおおわれる。

 あなたはその翼の下に避け所を得るであろう。そのまことは大盾、また小盾である。

あなたは夜の恐ろしい物をも、昼に飛んでくる矢をも恐れることはない。また暗やみに歩きまわる疫病をも、真昼に荒す滅びをも恐れることはない。たとい千人はあなたのかたわらに倒れ、万人はあなたの右に倒れても、その災はあなたに近づくことはない。あなたはただ、その目をもって見、悪しき者の報いを見るだけである。

あなたは主を避け所とし、いと高き者をすまいとしたので、災はあなたに臨まず、悩みはあなたの天幕に近づくことはない。これは主があなたのために天使たちに命じて、あなたの歩むすべての道であなたを守らせられるからである。

  彼らはその手で、あなたをささえ、石に足を打ちつけることのないようにする。

  あなたはししと、まむしとを踏み、若いししと、へびとを足の下に踏みにじるであろう。

彼はわたしを愛して離れないゆえに、わたしは彼を助けよう。彼はわが名を知るゆえに、わたしは彼を守る。彼がわたしを呼ぶとき、わたしは彼に答える。

わたしは彼の悩みのときに、共にいて、彼を救い、彼に光栄を与えよう。わたしは長寿をもって彼を満ち足らせ、わが救を彼に示すであろう』

・・・そして、天津金木の力は強くわれらに語りかける。『恐れてはならない私はあなたと共にいる。驚いてはならない私はあなたの神である』

和良久の城に邪なものは近づけない。近づかせない。この城は光の民の住む城である。

 心やさしき、思いやりあるものたちの住む城である。人を謀り、人に偽るもの、人を傷つけるものは住むことのできない城である。

天津金木は善と悪とを分別する力をもつ。もし、おのが心に曇りが生じたならば、この城から自らの力で出ていく。今後、天津金木の稽古が始まることにより和良久にも大いなる自浄作用がはたらく。それはまず自分にあらわれる。次に隣人にあらわれる。そして周辺に、社会に世界にその大いなる作用がはたらきかけることを見る。その答えは速やかである。

自分が押し出される膿とならぬよう、もう一度自分を省みる。恐るべしは天津金木の力なり。
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