2011.02.21     

第53話 「天津祝詞〜心のみそぎ祓い」

1、玉ねぎの皮

太古の日本人は、心や呼吸など目に見えぬものを見える形で残すことができました。心は布斗麻邇御璽、陰陽の呼吸は水火の御伝、エネルギー体は水茎文字、三千大世界はますみの鏡など、一言で表現しにくいものを本当に端的にそして正確に表しています。それがいま私たち和良久がつかっている図表です。

では本日は心の作用について。

 心は布斗麻邇御璽の図で表わされていますが、分かりやすく言えば玉ねぎで例えられます。そういえば心が玉ねぎの皮のように幾層にもなっていることは皆さまも納得いくのではないでしょうか。いくつもの思考が頭の中を巡っていることは私たちがいつも体験していることです。いつも思っている考えが表面のほうの皮で、かなり現実的な部分を司っています。皮を一枚一枚めくっていきますといわゆる本音が見えてきます。

しかし、もっと中のほうまで剥ぐっていきますと、とても透きとおったピュアな部分になってきます。潜在意識です。布斗麻邇御璽では、真ん中に行き着くと「ス」という澄み切った世界があります。ここが神の領域といわれるところです。「神は外にあると同時にわが内にあり」ということが了解されます。

奥へ奥へと行くので、極小な世界だと思いがちですが、ひとつひとつの壁を破ってインナートリップを続けていきますと、なぜかそこは宇宙空間のようにどこまでも広がる無限の空間であることを見出します。そして心の中心の部分をきれいに掃除することは、宇宙空間とつながることだということが分かります。心が澄み切ることは、宇宙が開けるということなのです。真ん中の心をきれいに掃除をしていますと、そこに神の力がはたらき奇跡を生みます。

2、心を澄み切らせる

心を掃除しきれいにすると「ス」という状態になります。これを俗に「無になる」とか、「ゼロにリセットする」とかいいます。心の中心には、宇宙創造を見てきた意識からはじまる膨大なデーターが残っています。そのデーターはよいデーターばかりではなく、よけいな情報も盛りだくさんです。いわゆる人や物に関する偏見や固定観念などです。これがよいことにはたらけばよいのですが、ほとんどが人の成長を妨げます。

曇りのない眼(まなこ)でものを観るといいますが、これは心にかかる積年の角質化した汚れを清掃することで、眼の曇りが消え、真実をとらえる眼となることをいうのではないでしょうか。真実を見る眼ができるということは「本当の力に目覚める」ことです。本当の力に目覚めると不思議なことですがすべての問題が解決していきます。自分のことのみならず他人の問題さへもです。

問題のある人がいると、ついその人の心に踏み込みたくなりますが、それをしません。いや、そんな余計な御世話は必要ないのです。そんなときは人の心ではなく、自分の真中の心を「ス」に戻すのです。スに戻すと、そこに言霊の法則がはたらきます。言霊の法則がはたらくとは「心と心がインターネットのようにつながる」ということです。 そこに神の力が介入し、問題を氷塊させるのです。その問題解決のプロセスについてはまったく私たちの関知するところではありません。

自分をスに戻すだけで奇跡を生みます。心を澄み切らせると文字通り「ス」の身になりきり、スの身になるということは「神になる」ということです。つまり鎮魂帰神の状態です。

3、言霊の法則を日常生活に生かす

繰り返しますが、ことあるごとに、真ん中の心の掃除を行いますと宇宙が開けます。宇宙が開けるとそこに宇宙の法則が働き始めます。宇宙の法則、つまり「スウアオエイ」という言霊の力が蘇り、螺旋の力が発生するのです。螺旋の力は、求心力と遠心力を同時に起こします。求心力は多くの善きことをひきよせ、遠心力は悪しきことを跳ね飛ばします。その様子は「ス〜ウ〜アオエイ〜75声」の言霊の配列にあらわされています。

それでは心を「ス」に戻すにはどうするかです。いや「ス」とはどういう力をもつものなのかということを知ったほうが早いです。これは和良久の皆さんにはすでにお話した内容であるし、すでに稽古で具体的に行っていることです。

 「ス」には「ウ」の言霊がつながります。まず「ウ」は「直霊〜省」という心です。

 それから以下のごとく。

「ア」 幸魂〜愛
「オ」 和魂〜親
「エ」 荒魂〜勇
「イ」 奇魂〜智

これだけなら何やらよく実感できませんが、これを日常の言葉に置き換えてみると非常に身近に感じます。

ウ 省  すべての責任は自分にあるという心 

ア 愛  天地への大きな愛情心 

オ 親  すべてに感謝し和合する心 

エ 勇  不退転の強い信仰心 

イ 智  謙(へりくだ)れるかしこい心 

つまり、何によらず報恩、感謝、礼儀、節度、信仰を忘れてはならないということです。
  
 自己の意識の浄化こそが世界を変えます。私たちはこれをより専門的に修行しています。神言が示す内容に従い「天津金木ー天津菅曾ー天津祝詞」の順番で行うことが大切です。一連の稽古の最後に奏上する天津祝詞の内容は、外に向かっては宇宙一切を祓い浄化する祝詞ですが、内に向かっては自分の心のお祓いと浄化なのです。それは奇跡的な言霊の威力をもった祝詞です。

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