2006/11/27    

第6話 人の世界を観る

 

私たちは自分の「心」に影響を与えている4つの魂(勇、親、愛、智)、つまり四魂を全て持っています。ただ、人によってそれぞれベースとなる基本的な魂が存在し、他の3つの魂にも強弱があり、それらがあなたのココロを創っているという考え方を見てきました。

 

図5を見てください。

何の魂が最も強く、さらにどの順番の組合せが強いのかによって、あなたが世の中をどうみているのかが、異なるのです。同じ人を観ていても、同じ経験をしても、同じテレビを観ていても、違う世界が現れています。それを掴むことは、あなたの人間関係と人生に大きな違いを創るのです。

 

わずか2問で見抜いたあなた自身や周りの人たちの魂ベースから、それぞれが経験する世界とそれが織りなす人間模様を観ていきましょう。これからお話しするのは、数千名のデータを基にしたものですが、その中から典型的な例を使って具体的にお話したいと思います。

 

 

外側に現われる言葉や行動が異なる

まず、魂のベースが異なることによって、人の言葉や行動が、どのように外に現れるのかを見ていきましょう。

 

◆「勇」ベースの魂が観ている世界

勇ベースの人は、行動の人です。まず、「行動する」「達成する」ことが大切なのです。「ぐずぐずしてないで、早くやろう」というのが基本です。

何かことが起こる前に、考えるよりも、「やってみないとわからない」「とにかくやってみよう」「考えていないで、まず行動せよ」という思考が強く働きます。

この人は、ものごとを拡大、発展させることに最も価値を置いています。さまざまな障害や苦難を乗り超えてものごとを達成し、何かを成し遂げるということが、いちばん重要だと考えているのです。

 

このような人は、物事を前進させるために、積極的で行動的な人生を歩むことになります。はたから見ていても、実にエネルギッシュに行動して、忙しく動き回っている感じがあります。

ですから、必然的に口グセになる言葉は、「まずやってから考えよう」「とにかくやってみよう」「理屈ではなく行動だ」「絶対にやる」「思い切ってやろう」という言葉とともに、「負けたくない」「白か黒か」「情けない」「不甲斐ない」「覚悟する」「耐える」などという言葉がよく出てきます。

 

このような言動は、周囲の人からはしばしば批判を受けます。それは、「人の話を聴かない」「単純」「無茶をする」「よく考えない」などと言われることです。周囲には、とても強引な印象を与え、周りのことは見えていないと思われています。せっかちで“ブルドーザー”という印象を持たれることもあるかもしれません。

 

◆親ベースの魂が観ている世界

 親ベースの人は、平和や調和を重んじる人です。グループの和や利益を最優先にしています。自分の利益よりも、グループや仲間のためになるかどうか、ということをまず考えるのです。

組織やグループのなかで、自分はどう役割を担っていくべきか、ということが、社会や人を見る基本になっています。個人的なことより、グループに対して役に立ちたいと考え、「自分は皆のために役に立っているか」をいつも気にしています。

 

ときには、「自分は皆の役に立てていないのではないか」と、悩むことになります。皆のため、組織のために「役立つ」ということに最も重点を置いて生きているからです。それを人生で求めているがゆえに、まだまだ皆のために役割を果たす程度が足らない、逆に迷惑をかけているとさえ、思ってしまうのです。

 

このために、自分は、「親」が弱いと思ってしまい、自分は「わがまま」であり「人に迷惑をかけている」のではないかと思っていることさえ、しばしばあるのです。これがココロの悩みなのです。

 

それゆえに、人のじゃまをしたり、和を乱したり、あるいは集団からハミ出たりすることを最も嫌がります。波風が立たないことはすばらしいことなのです。仲間外れや仲間からの無視は、かなりこたえます。

 

そこで、所属する集団の和を保ち、集団のために役割を果たす人生を歩むことになります。日頃の口グセは、「仲間のためなら」「会社のためなら」「一緒にやろう」「ルールを守れ」「時間を守れ」「役割を果たせ」「皆が言うから」「力になりたい」などです。

あまり自己主張はせず、自分の意見を強引に通す、ということはありません。常に調和を重んじるのです。したがって、「おおげさな」「大風呂敷な」ことを否定しがちです。波風が立つことを避ける傾向にあるのです。

 

 周囲の人からは、集団に合わせてばかりいて自分がないように思われていることもしばしばです。批判されるときは、「自分がない」「何を考えているかわからない」「自己表現がない」「自分の意見がない」「杓子定規だ」などと言われます。

 

◆愛ベースの魂が観ている世界

 愛ベースの人は、思いやりの人です。自分の好きな人に尽くすというのが基本です。「相手を幸せにしたい」「相手のためになることをできうる限りしたい」という考えを持っています。

 

大切にしているのは、人との感情の交流です。自分は相手を理解したいし、相手にも自分をわかってもらいたい、と強く思っているのです。

 

 

それも多くの人に対してではなく、個別に感情の交流をしながら人間関係を保つことを大事にしています。グループの中でもあくまで一対一の関係が基本で、特定の人に対して「なにかしてあげたい」と思っているのです。前項の親ベースの人がグループに対して役に立ちたいと思っているのに対して、献身族は個人に対して役に立つのが基本なのです。

 

必然的に自分の好きな人のために献身的に行動する人生を歩んでいます。それがうまくいかないと、「相手のことをこれほど思っているのに、わかってもらえない」というグチが出てきます。

 女性にはこの愛が強い人たちが多く見られます。女性は生物学的にも子どもを育てるという機能が備わっているために、愛が強いと思われます。

 

日頃よく言う言葉は、「相手が幸せになるように」「自分をわかってもらえない」「私のことをどう思うの」「こんなにやっているのに」「感謝されない」「あなたのためなら」「喜ばせたい」「してもらった」「してあげた」「人間関係が大切」「コミュニケーションをとりたい」というものです。

 

したがって、自分の想いを分かってもらいたいために、話が長くなりがちです。また、感情に敏感で、相手を傷つけたくないと思うあまり、思ったことをなかなかストレートには話せません。したがって、要点を得ないことがしばしばあります。分かってもらえないことが続くと、それが爆発し、激しい怒りとなります。また、お互いに分かり合える関係を求めるために、必要以上に、相手に深入りすることが間々あります。

それゆえ周囲の人たちからは、「話が長い」「迷惑をかける」「暑苦しい」「感情的」「おせっかい」と批判されがちです。

 

◆「智」ベースの魂が見ている世界

智ベースの人は、人生において真理を求めています。行動的な印象は薄く、知性的・理知的な印象です。ものごとの論理や美しさにこだわり、正しいか正しくないかをいつも考えています。

 

ものごとを評価する目は、理性的です。評価するときは、自分が設定している基準に達しているかどうかで評価します。つまり、自分と比較して相手が素晴らしいかどうかではなく、自分なりの水準に比較して素晴らしいかどうか、と評価するのです。たとえば、仲間がカラオケで歌っているとき、自分よりうまいなら「うまい」と評価するのではなく、自分の望む美的水準に比べてうまいかどうかで批評するわけです。

 

このタイプの人は、感情や周囲の人たちに左右されることは少なく、自分の生き方、自分なりのこだわりを貫くマイペースな人生を歩んでいます。

悩むときには、「自分には能力が足らない」という人生の根本的な嘆きになります。日常的によく口にする言葉は、「面白い」「無駄なことはしたくない」「失敗したくない」「先が見えない」「わからない」「面倒くさい」といったものです。そして、「もっといい方法がある」「こうすればいいのに」と知恵や理屈で解決しようとします。

 

それゆえ、周囲の人たちからは、「冷たい」「事務的」「考えてばかりで行動しない」「理屈ばかり」などと批判されることがしばしばです。

 

四魂の世界は、どうでしたか?

 

四魂それぞれの世界で、あなたの周りの人たちを見抜く練習を日常でしてみましょう。

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